23人が本棚に入れています
本棚に追加
急いで車から降りようとしたが住吉コーチが立っているので降りられなかった。
どうしたのかと思い戸惑っていると扉を閉め、運転席に乗り込んでしまった。
「どうしたんですか?」
「・・・今日は蒼ちゃん疲れているみたいだしもう帰ろう」
そう言って車を出してしまった。何と言ったらいいのか分からず車内は沈黙に包まれていた。
朝と同じコンビニの駐車場に着き、お礼を言って降りようとした時
「蒼ちゃん、俺じゃやっぱり頼りないかな」
泣き笑いのような顔で問われても答えられなかった。
「ごめん、やっぱり俺じゃ頼りないよね。蒼ちゃんが何を好きかもよく分からないし、どうしたら喜んでくれるかも分からない。何か悩んでいるのに相談もしてもらえない。ごめんね頼りなくて」
「なんでそんなに謝るんですか! 別に私は謝られるような事ないし、頼りないなんて思っていません!」
また強い語気で言ってしまった。不甲斐ない自分に腹が立つ。
ずっと謝って、こちらの顔色ばかりを窺っている住吉コーチに腹が立つ。
そのまま車から降り、何も言わずに家に向かった。
部屋に入るとなぜか分からないが涙が止まらなかった。せっかくのデートを台無しにしてしまった。自分の感情をコントロールできない私が悪いのに住吉コーチを責めてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!