29th

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急いで車から降りようとしたが住吉コーチが立っているので降りられなかった。 どうしたのかと思い戸惑っていると扉を閉め、運転席に乗り込んでしまった。 「どうしたんですか?」 「・・・今日は蒼ちゃん疲れているみたいだしもう帰ろう」 そう言って車を出してしまった。何と言ったらいいのか分からず車内は沈黙に包まれていた。 朝と同じコンビニの駐車場に着き、お礼を言って降りようとした時 「蒼ちゃん、俺じゃやっぱり頼りないかな」 泣き笑いのような顔で問われても答えられなかった。 「ごめん、やっぱり俺じゃ頼りないよね。蒼ちゃんが何を好きかもよく分からないし、どうしたら喜んでくれるかも分からない。何か悩んでいるのに相談もしてもらえない。ごめんね頼りなくて」 「なんでそんなに謝るんですか! 別に私は謝られるような事ないし、頼りないなんて思っていません!」 また強い語気で言ってしまった。不甲斐ない自分に腹が立つ。 ずっと謝って、こちらの顔色ばかりを窺っている住吉コーチに腹が立つ。 そのまま車から降り、何も言わずに家に向かった。 部屋に入るとなぜか分からないが涙が止まらなかった。せっかくのデートを台無しにしてしまった。自分の感情をコントロールできない私が悪いのに住吉コーチを責めてしまった。
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