29th

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「そうだったんだ。でもそんなに気にしないで、自分でもちゃんと決められない自分自身に苛立っているぐらいだから」 「それは蒼が本気で将来の事を考えているからだよ。私なんて割と大手から内々定貰えたからこれで就職活動終わりでいいやなんて考えだもん」 「そうかな? それで決められるのが麻耶の良い所だと思うよ。私みたいにうじうじ悩むより決断力があると思う」 「決断力というよりは楽観的っていう方が合っている気がする。蒼は慎重なんだよ」 慎重と言えば聞こえはいいが、決断できない臆病者なだけだ。それでも自分でこの先は決めなければいけない。 「就職って人生の大事なポイントではあるけど、そこで間違えても転職とか他の道に行く事もできるし、就職して働き始めたら家を出れば親に何かを言われる事も少なくなるだろうしもう少し気楽に考えてもいいんじゃないかな。蒼の家はいろいろと大変みたいだから難しいのかもしれないけれど、もう成人しているんだし自由になってもいいんじゃないかな?」 「・・・そっか、そうだよね。もう子供じゃないんだし、私の人生なんだもんね」 「そうだよ。だから蒼の考えで進んでいいと思う。私はいつでも蒼の味方だからね」 「ありがとう」 麻耶との通話を終えてからまた考えた。 自分のやりたい事、将来どうしたいか。 何を諦めて何を選び取るか。
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