30th

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「何しているんですか。もうコートの戸締りで終わりですよ」 「手伝ってよ、これで終わりだからさ」 渋々一緒に拾っているが、端の方にまで転がっている。それを拾い振り返ると反対側で構えて待っている。 「何しているんですか?」 「せっかくなら久しぶりに試合しようよ。夏合宿の時と同じ条件ね。僕に勝ったら面白い事教えてあげるよ」 久しぶりににやにやと笑っている国枝コーチを見た気がする。 「いいですよ。じゃあ私がサーバーでいいんですね」 勝てるとは思っていないが思いっきりプレーする。弄ばれるように走らされ、ゲームセットの時にはクタクタで立ち上がれなかった。 「なんだ、蒼ちゃん弱くなったね」 「就職活動で忙しくて最近まともに練習できていなかったんだからしょうがないじゃないですか」 「そっか、残念だな。でも特別に教えてあげる。蒼ちゃんが立ち上がれる体力が回復するまでね」 呼吸を整えて天井を眺めている横に座り話始めた。 「住吉コーチと喧嘩したんでしょ?」 「別に喧嘩はしていないですよ」
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