31st

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ちゃんとお互いに話をして一緒に歩いていきたい。 あの日のように手を繋いでいつまでも歩いていきたい。 「蒼ちゃん!」 幻聴かと思ったが声のする方を見るとこちらに向かって走ってくる住吉コーチが見えた。 「ごめんね、帰ったって言ったのは嘘。蒼ちゃんも嘘をついたからこれでお相子ね」 「よかった。見つからないから心配で。車で見つからないなら近くに歩いているのかと思って戻ってきたら声が聞こえたから」 息を切らしながら笑顔で座り込んでいる。 私のせいで振り回してしまっているのになんで笑顔なんだろう。なぜわがままだと怒らないのだろう。 「本当に住吉コーチは蒼ちゃんが大好きなんだね」 「・・・別にそんな事は」 「蒼ちゃんの顔が見られただけでそんな笑顔になれるならそれだけ大好きって事なんじゃないの?」 答えに詰まっているようでにやにやしている国枝コーチと顔を赤らめて目が泳いでいる住吉コーチを見ているとまるで親子のような兄弟のような2人だなと思えた。 まだ空いている用具室に入りペンとボールを取った。 「蒼ちゃん何しているの?」 「国枝コーチ審判して下さい」
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