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「だめじゃないです。迷いがあったけど、今決断できました。私は大手企業に就職して自分のできる限りの事をやってきます。上手くいかない事も、やっぱり好きなテニスを仕事にすればよかったって後悔する日が来るかもしれないけれど。それでも今まで自分が学んできたことを生かせないかチャレンジしてみたいです」
「いいと思うよ。何かあったら話を聞かせて。もしテニスを仕事にしたいって思ったら一緒に働こう。俺が独立して蒼ちゃんと一緒に働けるスクールを作るから」
「なるほど、そんな未来もいいですね」
「でしょ?叶えられるか分からないけれど、それでもずっと一緒にいるから。だから俺から逃げるのだけはやめて」
「わかりました。住吉コーチにはとことんぶつかっていきます」
「うん、逃げられないように頑張って受け止めるから」
そう言って手を握られ、はいと返事をして握り返した。
今自分が出来る事は何か、やりたい事は何かを必死に考えていると自分の事なのに分からなくて苦しかった。
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