レベルカンスト

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レベルカンスト

『めざ…』 『目覚めよ…』 『目覚めよ勇者の子よ』 うーん 寝てるんだか起きてるんだか意識が朦朧としているなか声が聞こえてきた。 『目覚めよ勇者の子よ。世界を救うのです』 『あなたは魔王をも救う運命にあります』 『様々な職業を経験し世界を救うのです』 うーん まだ眠たいんだが 『あなたに特別なスキルを付与します』 『さぁ目覚めよ』 俺はうるさい声に目が覚め朝飯を食べようと部屋を出た。 『よっ!ユウキシン目が覚めたか?』 『あートモキかーおはよう』 『今日はいよいよ王様に呼ばれて冒険に旅立つ日だ!さっそくステータス画面をみてみようぜ』 『あー俺の場合変わってないと思うぞ』 『おまえ知らないのか?二十歳になったら固有アビリティーが付与されるんだよ』 『え?知らなかった。俺スライムさえも倒せず、みんなに倒してもらってたから』 この世界ではモンスターを倒すことによって経験値がもらえ、倒せない者は一切経験値は入ることはなかった。 『どれどれ』 ユウキシン レベル1 体力F 腕力F 魔力F 命中F 回避F 運気F 固有アビリティー 転職の極意 トモキが首を傾げる。 『転職の極意ってなんだ?それにしてもレベル1なの村の中じゃあおまえだけだぞ』 『仕方ないだろ!モンスターを一匹も倒してないんだから。それにしても転職の極意ってなんだろうな?』 『さぁー?それよりさっそく教会にいって職業を選ぼうぜ!俺は戦士になる!』 『ああ、俺もかっこいい戦士になってやるぜ』 教会にてシスターが答えた 『残念ですが適性値が足りないため戦士にはなれません』 『え?じゃあどの職業だったらなれる?』 『適性値がいらないビーストテイマーなら』 『それしかないの?』 『レベルが上がり適性値があがれば他の職業に転職可能となりますので、まずはビーストテイマーからお願いします』 『なるほど、ビーストテイマーか!モンスターを仲間にするのも面白そうだ。モンスターはどうやって仲間にするんだ?』 『野生モンスターに好意をもたれたらテイムを使い仲間にすることができます』 『なるほど』 『それと俺の固有アビリティー転職の極意なんだけどどんなアビリティーなんだ?』 『転職の極意?聞いたことのないアビリティーね』 『おーいユウキシンー俺はめでたく戦士になれたぜ!』 『マヂかぁ俺はなれなかった。。。』 『村のスライム倒しまくってレベル上げてたからな』 『戦士のなれる適性値ってやっぱり腕力か?』 『ああ、腕力Dでなれるぜ』 『くっそー戦士になりたかった』 『まぁまぁ職業も決まったことだし王様のところにいこうぜ』 王城広間にて 『わっはは!ユウキシン久しぶりじゃな』 『王様もお元気そうで』 『孤児院での暮らしはどうじゃった?』 『ええ、勇者の子供として手厚く育てられました』 『それは良かった。して職業は決まったか?』 『ええ、ビーストテイマーになりました』 『なるほど親子揃って同じ職業からはじめるわけじゃな』 『親父も最初はビーストテイマーだったんですか?』 『ああ、そうじゃ!ビーストテイマーになったのならここから北西にある竜の神殿にいくといい』 『何かあるんですか?』 『昔おまえの親父が仲間にしていたモンスターが住んでおる』 『わかりました。さっそくいってみます』 『ああ、気をつけてな』 北西の竜神殿にて 『ふぅーけっこう歩いたな。道中モンスターから逃げまくって散々だった。親父のモンスターって言っていたけどどこにいるんだ?』 神殿近くまでいくと入り口に大きな魔獣が寝ていた。 『げっ!あれは伝説の魔獣フェンリルじゃないのか?スライムも倒せない俺なんか確実に殺される』 フェンリルは鼻をヒクヒクさせたあと、突然目を覚ましこっちに走ってきた。 『やばい!逃げなきゃ』 『ユウジ殿!お久しぶりでございます!どちらにいかれていたんですか!心配しましたよ!』 『へっ?親父のモンスターっておまえだったの?』 『はっ!よく見るとユウジ殿ではない!?』 『俺はユウジの息子のユウキシンだ』 『ユウジ殿の息子!?失礼しました。こちらには何用で』 『おまえを仲間にしにきたんだ』 『はいっ!ユウジ殿の息子なら是非とも仲間にしてください』 伝説の魔獣フェンリル テイム可能 テイムしますか? 『おお!?テイムってこんな感じなのか。テイムしますっと』 フェンリルテイム完了 ビーストテイマークラスレベルMAXとなりました。 『クラスレベルMAX!?モンスター一体でクラスレベル上がりきってしまったのか?』 俺はすぐさまステータス画面を開いた ユウキシン レベル1 体力F 腕力F 魔力F 命中F 回避F 運気F 固有アビリティー 転職の極意 他力本願 職業 ビーストマスター 『本当にビーストテイマー最高クラスになっている。。。レベル1でビーストマスターになってしまった。それと他力本願ってなんだ?』 『さぁーわかりませぬ。主殿一度教会に戻って聞いてみるのはいかがですか?』 『ああ、そうしよう。フェンリル護衛頼んだよ』 『お任せあれ!』 村の教会シスターにて 『シスターちょっと聞きたいことがあるんだけれど』 『どうかされましたか?』 『俺のステータス画面みてくれる?』 『はいはい。どれどれ』 シスターは首を傾げて見てる。 『ユウキ君。。。何をしたらこんなステータスになるの?』 『え?普通にモンスターを仲間にしたら』 『信じられないわ。モンスター一体仲間にしたくらいじゃこんなステータスにはならないわ レベルも格段に上がってるし』 『レベル?』 ユウキシン レベル51 体力C 腕力B 魔力B 命中C 回避D 運気B 固有アビリティー 転職の極意 他力本願 職業 ビーストマスター 『あれ?レベル上がってる』 『他力本願はねビーストマスターになって初めて獲得できる固有アビリティーでね。使役しているモンスターが獲得した経験値を貰うアビリティーなの』 『あーそういえばフェンリルが帰りにバンバンモンスター倒していたな』 『ふぅー流石勇者の子供。。。さてどうする?クラスレベルMAXになったのなら職業戦士に変える?』 『今の適性値なら他にどんな職業になれるんだ?』 『えーと。雷鳴術士、戦士、魔法使い、僧侶、武道家、盗賊、遊び人よ』 『雷鳴術士ってなんだ?』 『雷鳴術士は上級職で適性値魔力B運気B以上だとなれる天候を操る職業よ』 『天候を操る!?それは面白そう!』 『でも倒したいモンスターがいても最初は雨を降らせることぐらいしかできないし、誰もなりたがらないわ』 『大丈夫、大丈夫。根気よくクラスレベル上げていくから』 『わかったわ』 俺はさっそく雷鳴術士のスキルを確認し雨を呼ぶを使った。すると付近にポツリポツリと小雨が降りだした。 『最初はこんなもんか今日はいろいろあったからこの辺で寝よう』 俺は村の外のフェンリルに餌をやり、ぐっすりと寝た。そしてその日の夜は雨が降り続け雷もなった。 翌朝 『さぁーて雷鳴術士になったしクラスレベルを上げる為に毎日雨を降らせよう』 『よっ!ユウキシン!俺は戦士のクラスが1つ上がって見習い剣士から剣士に上がったぜ』 『あートモキか!聞いて驚け!俺は雷鳴術士になったぜ』 『はっ?何言ってるんだ?おまえ昨日ステータス画面確認した時レベル1だったしビーストテイマーだろ。職業についたからってそんな簡単に適性値は上がらないぜ』 『まぁまぁ見てみろよ』 ユウキシン レベル100 体力A 腕力S 魔力S 命中A 回避B 運気S 固有アビリティー 転職の極意 他力本願 天気予報 職業 ビーストマスター 天地創造術士 トモキは目が点になってつったている。 『あれ昨日見た時はレベル51だったのに上がってる?』 『上がってるじゃねえ!おかしすぎだろおまえのステータス!』 『うん。おかしい昨日見た時はレベル51だったんだが』 『いやいやそこだけじゃねえ!職業ふたつクラスレベルMAXになってんじゃねえか!』 『あ、本当だ!』 トモキが固まっているとフェンリルが申し訳なさそうに走ってきた。 『主殿!おはようございます。大変申し訳ないのですが主殿のスキルを夜に使ってしまいました』 『おまえフェンリルをテイムしたのか!?』 『ああ、昨日テイムした。使役モンスターもスキルが使えるのか?』 『使えます。実は喉が渇き、水が欲しかったので水溜まりを作って飲んだり、雷を落として大量のモンスターを倒していました』 『なるほどだからクラスレベルMAXになったのか』 『そんなんでクラスレベルMAXにはならねぇ!』 『いや、実際になってるし』 『おそらくだがおまえの固有アビリティー転職の極意ってやつはクラスレベルを上げやすくするアビリティーなんだと思うぞ』 『なるほど、もうレベルもカンストしてしまっているしやることがなくなってしまったな』 『南の町にランクアップ施設と冒険者ギルドがある。この機会にランクアップと冒険者ギルドで金を稼いで装備を整えたらどうだ?』 『そうだな。いつまでも村人の服じゃカッコ悪い』 『餞別だ!俺の使いまわしの剣をおまえにやる』 『お!ありがとう』 『気をつけていってこいよ』 俺は村の教会でシスターに状況を説明し雷鳴術士以外の上級職になれないのかと尋ねるとこの村では他の上級職にはなれず南の町の冒険者ギルドならバトルマスターになれることを教えてもらった。 そして俺は当初なりたかった職業の戦士に転職し南の町へと向かった。 『フェンリル背中に乗ってもいいか?』 『南の町までモンスターがいたら近くまで接近してほしい。戦士と武闘家をクラスレベルMAXにする』 『了解です』  俺はフェンリルにまたがり南の町に着くころにはソードマスターと武神を手に入れた。  確かにトモキの言った通りモンスターを狩りながらステータス画面を確認するとクラスレベルがどんどん上がっているのがわかった。  そして南の町ランクアップ施設についた。受付の女性に声をかけた。 『あのーランクアップしたいのですがここであっていますか?』 『はい。あってますよ。ランクアップに金貨100枚となっています』 金貨一枚とは銀貨一万枚で俺は金貨五枚しか持ってなかった。 『あーお金が足りないので出直してきます』 『はい、またのお越しをお待ちしております』 俺はランクアップを諦め冒険者ギルドへと向かった。 『いらっしゃいませ!初めての方ですね。ご登録ですか?』 『はい』 『ではお名前と住所、連絡先をこちらのカードに書いてご登録となります』 『わかりました』 『ご登録が済んだら掲示板から自由に依頼を選び目的を達成したら報酬をいただける仕組みとなっております』 『なるほど』 登録が済んだ後ゆっくり依頼書を見ていたら報酬金貨200枚バジリスク討伐依頼を見つけた。 『これにします』 『申し訳ありません。こちらの依頼内容はバトルマスターの職業をお持ちの方にしか紹介しておりません』 『あ、でしたらバトルマスターの転職もお願いします』 『え!?戦士と武闘クラスレベルMAXの方でしたか。大変失礼しました!ステータス画面の表示をお願いします』 ユウキシン レベル100 体力A 腕力S 魔力S 命中A 回避B 運気S 固有アビリティー 転職の極意 他力本願 天気予報 剣の極意 拳の極意 職業 ビーストマスター 天地創造士 ソードマスター 武神 『はいっ!バトルマスター転職条件のソードマスター、武神ともに確認いたしました』 『バジリスクは西の洞窟にいます。くれぐれもお気をつけて』 『ありがとう』 西の洞窟にて 『主殿大丈夫ですか?』 『ん?何がだ?』 『バジリスクは危険な魔物です。数秒視線があえば石にされてしまいます』 『げっ?そうなの?おまえが倒してくれるものだと思ってた』 『無理です!体に猛毒があり下手に噛みついたら死んでしまいます』 『困ったなレベルが上がってちょっと安易に考えてた』 『昔メドゥーサという怪物も視線があえば石化する能力をもってましたが当時の英雄は鏡の盾を見ながらメドゥーサの首をはねたと言われています』 『なるほど鏡かー。お!いいこと考えついた!』 俺は雷鳴術士のスキルを使い雨を降らせて水溜まりを作った。 『これがなんになるんですか?』 『いいから、いいから、奥に進むぞ』 洞窟は薄暗く、湿った空気が流れていた。 『いないなー』 『主殿これを見てください』 『なんだ石像?』 『バジリスクを討伐しにきた冒険者のなれの果てでしょう』 『この子可愛いな』 『何を呑気なことを』 ギャギャギャギャ! ギャギャ! 『うお!ビックリした』 『静かに!バジリスクです』 周りを黒い影が動いている。 俺は水溜まりを見ながら慎重に黒い影に近付いていった。 『そこだ!』素早く剣を振り抜き黒い影の首を切り落とした。 地面に鶏のような首が転がっていた。 『やりました!主殿!討伐完了です』 『これがバジリスクか?気持ち悪い化け物だな』 『あいた!』 『ん?フェンリルおまえの声か?』 『いえ、自分ではありませんが』 『頭打ったー!痛い!ここはどこなの?』 『あ、さっきの石像の可愛い女の子だ』 『あなた誰?神界の人?』 『神界?君こそ誰だい?』 『あたし?あたしは戦いの女神アテナよ』 『はぁ?この子頭打っておかしくなったのかなフェンリル』
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