44th BASE

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「……何と言うか、ここにいる皆には、……ありがとう、と言いたいです」  無愛想でたどたどしくも、オレスははっきりと仲間への感謝の想いを口にする。途端にチームメイトから大歓声が起こった。 「イエーイ! こちらこそありがとう!」 「ちゃんオレ最高! 愛してる!」 「……ちょっと、何その変な盛り上がり。相変わらず面倒臭いわね……」  オレスは皆から視線を逸らし、不機嫌そうに口を尖らせる。ただしこれはあくまでも照れ隠し。本当は自身の感謝を快く受け入れてもらえたことに安堵している。 「ふふっ、オレス、ありがとう。今日もそうだし、何度も良い場面で打ってくれて本当に助かった。これからも頼むぞ」 「べ、別に、私は私のするべきことをするだけだから……」  隆浯の言葉にオレスの顔は更に赤くなる。ぶっきらぼうな態度を貫きたい彼女だが、込み上げる嬉しさと恥ずかしさを堪えられそうにない。 「次は真裕。頼んだ」 「はい」  続いて真裕が指名され、オレスに代わって前へと出る。今日の試合は延長八回まで完投しただけでなく、決勝点となるホームランも放った。 「えっと……、何を言えば良いのかな。……今日に関しては、ピッチングの方はとてもじゃないけど良かったとは言えなくて、負けてもおかしくない内容でした。それでも皆が点を取ってくれたおかげで負けを逃れて、最後は偶々自分の一打で勝つことができました。本当にラッキーだったと思います。ここにいる皆と一緒に野球ができて、日本一にもなれて、凄く幸せを感じてます! 本当にありがとうございました!」
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