第5章 曹香の兄。

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第5章 曹香の兄。

こうして… 西暦239年01月22日の事にはなりますが袁熙と甄貴の子として本来ならば幸せな毎日を送るはずだった曹叡は、 曹叡「…!どうして朕が若くして死ななければならぬのだ?」 病のため35歳の若さで この世を去ってしまいました。 郭累「陛下!どうして私を置いて 逝ってしまわれたのですか?」 皮肉にもその命を奪った病は、 曹丕と同じ肺結核でございました。 曹香「父帝と異父兄は血が通っていないはずなのに…何故に…?」 曹香の問いに答える人間は、 残念ながらおりません。 曹香に遺されたのは… 甄貴が遺した日記と恋い焦がれてきた愛しい騎士(ナイト)と2人の間に産まれた尊い宝物(こどもたち)。 夏侯覇「お嬢は俺が必ず守るよ。」 父に冷遇され母も幼くして喪った 曹香ではありましたが幸せでした。 しかし… 曹叡と郭累の間にも…曹叡と他の后との間にも子は産まれましたが… 曹叡が復讐に身を焦がした事による因果応報なのかどの子も大人になる事なくその生を終えてしまいました。 結局… 曹魏3代皇帝となったのは、 曹家の遠戚から養子に出された 8歳の幼帝・曹芳でした。 曹芳「よ、よ、宜しく。」 ここから曹魏は衰退していく事となり代わりに司馬懿の一族が暗躍する事となってしまったのでございます。 夏侯覇「万姫、先帝のお墓が出来たら2人でお墓参りに行こう。」 曹香「はい、仲権様。」 どちらにしても曹叡にはその死を 悲しみ悼む人達が3人はいました。 郭累「先帝…」 復讐に身を焦がしながらも…異父妹の幸福を願い自らの皇后を慈しんだ曹叡という男がいました。 曹叡「復讐に身を焦がすのは朕だけで良い。朕は次代に想いの丈を繋ぎたい…。」 曹叡の繋いだ想いの丈は次代を生きる人達に確かに繫がりました。 曹香「異父兄の願いは、 私の幸せな毎日が続く事でした。」 姜維「でした…?」 姜維が小首を傾げると夏侯覇と、 曹香は2人で顔を見合わせながら… 曹香「曹爽の暴走により曹魏は2つに分かれてしまう事になりました。」 姜維「?」
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