第1章 母の記憶。

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袁紹「夫婦で未来予想図を心の中で抱き盛り上がっているところ大変申し訳ないが…小龍には幽州の役人をして欲しいと思っているのだが…」 実のところ袁家を巡る情勢はかなり厳しいものがあり袁紹とは竹馬の友であり宿命のライバルでもある曹操が中原にて頭角を現し始めていました。 田豊「…幽州は曹操からの攻撃に備えて守るべき要の地。つまりは要地にございます。だからこそ中の若君〈=袁紹の次男である袁熙の事〉が役人としてお守り下されば鄴城も烏桓族も安泰ですからね…」 袁紹が得意げに話そうとしていたのに 田豊が代わりに話し始めたせいで… 袁紹「ふん!私が皆にどれ程幽州が大切な場所であるかを説明したかったのにこの出しゃばり軍師め!」 袁紹のご機嫌をまたしても… 損ねてしまった田豊でしたが… 袁熙「烏桓族の蹋頓殿は人間離れした奇妙な出で立ちをしていて桜綾にも逢わせてあげたいと思っていたのだ…」 甄貴「まぁ…そのような方がいらっしゃるのですか?」 袁紹の話よりも田豊が話していた 蹋頓(とうとん)の話が気になるようで新婚夫婦は盛り上がっていました。 田豊「中の若君に嫁がれた奥方は、 どうやら好奇心旺盛なようですね…。蹋頓殿は中の若君が仰せになられたように人間離れした奇妙な出で立ちをしておられますよ…。」 甄貴「それは…どのようなお姿をなさっておられるのですか?詳しく教えて下さりませ…」 すると…次の瞬間、 袁紹「うぉっほん!」 これでもかと言わんばかりの大きな咳払いをした袁紹により2人は現実に戻されました。 袁熙「父上、どうなさいました?」 袁熙が袁紹の咳払いの理由を聞くと… 袁紹「名族たる私が話そうとしているのにお前達と来たら夫婦の世界に入ってなかなか出て来ないのだから…」 袁紹の言葉にようやく 我に返った2人は… 袁熙「申し訳ありませぬ…父上。」 甄貴「申し訳ありませぬ…義父上様。」
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