第4章 曹香の幸せ。

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こうして鄴城から洛陽までは遠いので 3日程経過した西暦226年07月04日。 飛龍「ここが曹魏の首都である洛陽か。」 飛龍から全てを奪い去った曹魏の都である洛陽は今日も栄えておりました…。 司馬懿「飛龍様、それどころではございません。皇帝が不在の曹魏は他国から攻められやすい状態なのですぞ?いま、陸遜や諸葛亮が攻めて来たら一塊もありませぬ…。一刻も早く元服と即位をなさらなければ…」 司馬懿が夏侯覇と飛龍を連れ 慌てて王宮へ飛び込むと… 曹真「曹魏2代皇帝曹真様だぞー。」 司馬懿「曹真殿、ふざけないで下され。臣下が王座に腰を下ろすなど反逆罪と見なされますぞ…」 曹真がふざけて王座に腰を下ろし… 1人寂しく皇帝ごっこをしており… 飛龍「無礼者!我の座るべき場所に腰を下ろすなど今度すれば命はないと思え!」 飛龍に叱られた曹真は… 曹真「ひぇー、子桓様ー!」 何故か死んだはずの冷血漢・曹丕を思い出したようでブルブル震え上がっていました。 司馬懿「飛龍様は立派に先帝の面影を受け継いでおられるお方にございます。では、元服と即位の仕度を致しましょう。」 こうして…司馬懿を始めとする臣下達の頑張りにより元服と即位の儀が行われたのはこの2日後でございました。 こうして西暦226年07月06日。 曹魏2代皇帝・飛龍改め曹叡〈字は元沖〉が即位しました。 曹叡「司馬懿、朕が皇帝となり初めて出す勅旨は万姫の為の勅旨にしても良いか?」 司馬懿「はい、陛下。家族を幸せに出来ない者に国中の民を幸せには出来ませぬ…」 曹叡「勅旨である!先帝が出した勅旨を無効とし朕の異父妹である万姫は夏侯仲権の元に正室として嫁ぐ事を命ずる。」 万姫「陛下、感謝致します。」 夏侯覇「お嬢、 寂しい想いをさせて済まない…。」 こうして西暦226年07月07日。 曹叡の異父妹である曹香は、 夏侯覇と祝言を挙げる事になりました。 夏侯覇「幸せにするよ、お嬢。」 曹鷲「お嬢じゃなくて…字で呼んで下さりませ。万姫でございます。」 夏侯覇「幸せにするよ、万姫。」 こうして夏侯覇と曹香を幸せにした曹叡でしたが父母の仇に復讐する事を諦めた訳ではありません。 郭鑾「嫌だ!嫌だ!嫌だ!」 西暦235年03月14日。郭鑾と暁明は曹叡により暗殺を命じられた刺客により命を奪われ洛陽近くにある古井戸に投げ捨てられてしまいました。 曹叡「母上、仇は討ちました…」 異父妹である曹香の幸せを祈りながら…復讐も諦めなかった曹叡は郭鑾の部屋から見える場所に皇后を贈位された甄貴のお墓を建て郭鑾の心を狂わせてから暗殺したのでございます。 しかし… 現実とは小説より奇なりと よく申したものでございまして… 曹叡は曹丕と同じく最初の妻である 毛寽(もうりつ)…字は月鈴に対して自死を命じたのでございます。 それは… 毛寽が郭累に対しての嫉妬に狂い 数多の嫌がらせをした事が理由です。 曹丕とは違い皇后の称号だけは、 剥奪しませんでしたが… こうして… 曹叡にとって2番目の皇后になったのは奇しくも郭皇后でした。 郭累「宜しくお願い致します。」 郭累(かくるい)… 字は夜鈴(イーリン) 曹叡「宜しく頼む…」 しかし… 曹叡は直接的な仇である郭鑾と暁明を暗殺してからというもの…すっかり人が変わりました…。 既に蒼穹宮があるというのに 豪奢な宮殿を何個も建設したりして 浪費しまくるようになりました。 司馬懿「陛下は完全に壊れてしまわれたのかも知れぬ…」 司馬師「父上、考えようによっては退位して頂く事も可能なのでは?」 司馬懿と司馬師はこの頃から不吉な事を考え始めていたのでございました。 司馬昭「恐い事をさっきから言わないで下さいよ…。」
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