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夏場の体育授業は水泳が主だが、今日は女子がプールを使用中。
クラスメートの男子達は女子の水着姿を想像しては色めきだつ。
けれども、市原彰人は知ったこっちやない。
夏の体操着は言うまでもなく半袖、短パン。
曾根崎の生足が見たい。
それだけだ。
体育館の冷房は弱。
彰人は整列前の曾根崎を目で追っている。
しっとりと汗ばむ感じが何ともエロい。
「整列」
すると、体育教師の掛け声。
体育館にラジオ体操第1の音楽が流れ出す。
しかし整列は背の順。
小柄な彰人は前から3番目。
そして、お目当ての曾根崎は1番後ろ。
彰人は残念でならない。
それでも6番目の前後に曲げる運動と続いての体を捻る運動はチャンス。
一時停止でチラ見する。
(スネ毛……剃っていない……ヤバイ、男らしくてユル立ちしそう……)
「市原、後ろを気にしない」
教師が目聡く注意してきた。
体育教師のくせに腹がボッテリ出ていてだらしない。
甲子園出場経験者なんてクラスの大半が嘘だと思っている。
そしてラジオ体操が終わると、今日の授業はダンス。
5人のグループに別れて、選曲から振り付けまで各自で創意工夫するとの説明。
彰人は曾根崎と同じグループであることを祈る。
「それじゃ、グループの発表……先生が予め決めておいた、文句はなしだ」
一組目が発表されて次……
「二組目~B班は市原彰人……最後の5人目は曾根崎」
彰人は起立のままで小さくガッツポーズ。
「あっ、ノートの……市原君だっけ……お仲間だね」
(お仲間……)
最近ではゲイの隠語も多く覚えた。
彰人には意味深に聞こえる
ノートに書かれた計算式は(42÷2)×6×3×5%=18.9
運命の2人かも知れない……
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