秘密の計算式 2

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 夏場の体育授業は水泳が主だが、今日は女子がプールを使用中。  クラスメートの男子達は女子の水着姿を想像しては色めきだつ。  けれども、市原彰人は知ったこっちやない。  夏の体操着は言うまでもなく半袖、短パン。  曾根崎の生足が見たい。  それだけだ。  体育館の冷房は弱。  彰人は整列前の曾根崎を目で追っている。  しっとりと汗ばむ感じが何ともエロい。   「整列」  すると、体育教師の掛け声。  体育館にラジオ体操第1の音楽が流れ出す。   しかし整列は背の順。  小柄な彰人は前から3番目。  そして、お目当ての曾根崎は1番後ろ。  彰人は残念でならない。    それでも6番目の前後に曲げる運動と続いての体を捻る運動はチャンス。  一時停止でチラ見する。 (スネ毛……剃っていない……ヤバイ、男らしくてユル立ちしそう……)   「市原、後ろを気にしない」  教師が目聡く注意してきた。  体育教師のくせに腹がボッテリ出ていてだらしない。  甲子園出場経験者なんてクラスの大半が嘘だと思っている。    そしてラジオ体操が終わると、今日の授業はダンス。  5人のグループに別れて、選曲から振り付けまで各自で創意工夫するとの説明。    彰人は曾根崎と同じグループであることを祈る。 「それじゃ、グループの発表……先生が予め決めておいた、文句はなしだ」  一組目が発表されて次…… 「二組目~B班は市原彰人……最後の5人目は曾根崎」  彰人は起立のままで小さくガッツポーズ。 「あっ、ノートの……市原君だっけ……お仲間だね」 (お仲間……)    最近ではゲイの隠語も多く覚えた。  彰人には意味深に聞こえる  ノートに書かれた計算式は(42÷2)×6×3×5%=18.9  運命の2人かも知れない……
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