01 作中から、次の作品イメージを掴む 2023/08/08(火)

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01 作中から、次の作品イメージを掴む 2023/08/08(火)

 時代作品「口入れ屋」(現在非公開)の文章中に、登場人物の説明文がある。  昨年、弥生(三月)八重が八郎と契りを交わした後、源助が元大工町二丁目に引っ越して独りで飯の仕度をしていた頃のことである。  隣の長屋の大工八吉の娘お麻は三十路に近い器量の良い女だ。一度商家に嫁いだが、子ができぬといって離縁されて長屋に出戻った。  その後、商家の主は後添いをもらったが、やはり子ができぬ。子ができぬ原因が商家の主にあったのが発覚して、元亭主だった主は、器量の良いお麻に、戻って欲しい、と謝罪したが、お麻は、源助を自分の亭主だといって、謝罪に来た元亭主を長屋から叩きだした。  元大工町二丁目に越して日も浅い源助だった。指物大工や大工仲間は、源助は娘と二人暮らしだったが八重が八郎の側室になったため、源助が元大工町二丁目に越して独り暮らしになったと話した。源助の身の上を聞いているお麻の父、大工の父八吉はお麻に、源助の妻は仙台に戻ったと話していた。お麻は、源助の妻が実家に出戻ったと判断して、源助を自分の亭主として付き合いを重ねた。  これは、大工八吉の娘お麻についての説明だが、お麻について書けば、1つの作品になる。
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