第1話

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「あ!」  お母さんの思い出したかの様な声に顔を上げる。 「そう言えば、百望に紹介してなかったよね。紹介しとくね。こちら、葉山美月(はやまみづき)ちゃん。学園内取締委員会の委員長よ」 「えっ!委員長さん!?」  すると、美月先輩は笑った。 「あはは。そんなに驚かないで。1年しか変わらないんだから」  1年……? 「てことは、2年生なんですか!?」 「そうだよ」 「2年生なのに委員長なんですか?凄すぎませんか!?」  会話が弾む。  けれど放送が鳴り、会話が途切れる。 「お待たせ致しました。フェアリーテール測定が終了致しました。クラス分けに関しましては、後ほどご案内させていただきます。続きまして、ペア更新の儀式を行います。新入生の皆さんは席にお座り下さい。」  放送が終わると、元のように椅子があった。 「百望ちゃん、また後でね」  そう言うと美月先輩は去っていった。  私はさっきと同じ椅子に座る。  お母さんは仕事に戻る。  すると、また放送が鳴る。 「これより、ペア更新の儀式を開始致します。つきましては、ペアの方が新入生の前に行きます。新入生の前に生徒がいない場合は、同級生の生徒がペアとなります。では、2年生以上の方は新入生の前へお進み下さい」  その放送を合図に先輩達が動く。  周りを見渡していると、私の前で足音が止まった。  顔を上げると見しった人がいる。 「美月先輩!」 「あはは。いったでしょ?また後でねって」  確かにさっき言っていた。  けれど、私のペアの相手だったなんて。
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