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前の人達について行くと、地下1階のフロアに入る。
「では、距離を開けてペアごとにフェアリーテールを見せあってね。フェアリーテールが使えない人は相手のを見ておいてね。」
その説明の後、周りが見せ合いをはじめる。
「百望、どっちから見せる?」
「美月からで」
「わかった。行くよ」
そう言うと美月は本を開き唱え始めた。
「花開くは美しき声を願い美しき花を咲かせし者。現れるは1度のみの命を持ち1輪の花の精と呼ばれし者。その者1輪の花と引き換え新たな命を授ける」
唱え終わると1輪の大きな花が咲いて消えた。
「月見草?」
「おっ、よくわかったね。次は百望だよ」
「えっと、フェアリーテール出せるけど、維持できるか分からないんだけど……」
「大丈夫だよ、止めてあげるから」
美月はそういった。
大丈夫だろうか……。
私は本を開き唱える。
「目に見えるは可愛く優しき香りの家。2人の子供あり。その者たち1人の魔女に騙されし。家に入れば未来分からず。今そなたに訪れるはその未来となる。」
私が唱えると、消えるはずの家は消えずに残っている。
周りからは悲鳴が聞こえる。
見渡せば、周りにもフェアリーテールが消えていない人達が沢山いた。
「百望!自分に集中して!」
美月に言われて、家を見る。
本の中に戻るように願う。
けれど、家の扉が開く。
「だめ!」
家の扉が開けば美月が取り込まれる。
すると、美月は本を開き唱える。
「現れるは生まれし頃より外れ者とされし者。何時しかその者、誰しも憧れし白鳥となりて空を飛び回る」
早口で唱えたはずなのに、1羽の白鳥が生まれ家に取り込まれた。
家の扉は閉まり消えた。
美月が駆け寄ってくる。
「百望!大丈夫?」
「ありがとう……」
「大丈夫って言ったでしょ?周りを見て」
そう言われ周りを見渡す。
ペアの先輩達が1年のフェアリーテールを止めている。
「第1の授業はこんな感じだよ。訓練場でのフェアリーテールは実践と同じ状況だから、フェアリーテールを制御できる1年はいないんだよね」
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