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「そうですか…お写真を……こう…何と言いますか…普通へ加工するなども違いますものね…」
吉田さんもあや実の顔を見て、納得のようではある。
「吉田さん、正直、男女ともにこういう飛び抜けた美形ってお見合いの申し込みが多いですか?」
「月乃…指ささないで」
「ごめん、ごめん」
「正直…そうでもないですね」
「ぇええ…?」
ビックリしたのは私だけのようで
「胡散臭いって思われるのよ」
あや実は平然としている。
「そうなんですよ…川野さまのおっしゃる通りなんです。あまりにも完璧な容姿の方は、サクラと思われたり、確実な成婚を引き寄せたい方は、申し込んでも無理だろう…って感じられるようですね。でも担当者が印象を記述する欄があるので、川野さまについては“飾らない言葉で、クリアで気持ちのいい話し方をされる女性。お話をしていると、その思いきりの良さに惹き込まれます”と書くつもりです」
素晴らしい…あや実が全ての人に申し込みをするとか、全て断ると言ったことを“思いきりの良さに惹き込まれる”と書いてくれるのか。
「あや実、良かったね」
「吉田さんはプロだもの。お任せしていいのよ」
「はい、お任せください。ではこちら7名の方へ、お見合いの申し込みを致します。お返事があり次第、川野さまへ私からご連絡を差し上げます」
「お願いします。月乃はゆっくり見ていいよ」
「うん。でも…まあ、この人とこの人は生理的に無理系だから見ない」
「それでも9人よりどりみどり」
「あははっ…同じこと、どこかでされてるんだよね。ポイっと」
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