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胡散臭いな、と目で言うあや実は
「私、焼酎にするけど、月乃のも注文する?ハイボール?ビール?」
と口を動かした。
「ビール」
「オッケー。すみませーん。ビールのおかわりと芋をロックで。あと…せせりの塩焼きとキノコのホイル焼きもお願いします。で?月乃の言いたかったこと…いいわよ、言って」
「あははははっ…不満そうに聞くんだ」
「話が読めてるからね」
「そういうことだよ。結婚相談所へ登録した場合、女性の29歳と30歳では顔合わせ率が違う。30になるとガタンと数字が落ちるんだって」
順調にお好み焼きを食べながら聞いていたあや実は
「それもやっぱり、男の思考がくだらないと思わない?」
と質問しつつ、断言したように続けた。
「29で顔合わせしたって、相手の顔色や様子を見ながらデートして、いざ結婚しましょうってなって、はい結婚っていう時には30になってるっていうことに気付いてないんだよね」
「ああ~そういうことか。でも、数字が語っているのはデートの相手は30代より20代の女がいいってこと」
「そこが男の思考のくだらなさ」
「でも、結婚してからの妊娠出産とかを考えて若い方が人気ありってことだね」
「なかなか“でも、でも”言うじゃない?」
「ふふっ…お姉さんの気に障った?」
「挑発してるなら乗ってあげてもいいわよ?」
ここで新しい飲み物が届き、私たちはそれぞれのグラスを手にした。
「勝負しちゃう?久しぶりに」
「月乃、今回は勝負でもあり、検証よ」
「私が仮説を実証してみせるわ」
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