On your marks

3/6
前へ
/11ページ
次へ
「じゃあ…私たち二人が同じ条件で登録したのだから、同じお相手が表示されるってことになるんだよね?」 そう言った私にあや実がウンウンと頷くと 「いえ、そうはなりません」 と担当者さんがキッパリと否定した。 「お相手からの条件もあるわけですから、身長が高い女性がいいとか、小柄な女性がいいとか…」 「あ、そっか。163センチ以上と言っている男性なら、あや実には表示されて私には出てこない」 「はい。お二人同時にご覧頂けるようにご用意致します」 担当者さんが奥へ下がったので 「ふふふっ…あや実…ここで数字がモノを言うね」 「数で勝負じゃないでしょ?成婚退会が勝負」 「妥協して、好きでもないのに結婚はダメだよ?」 「そんなこと、私がすると思う?」 「思わない」 「月乃の邪魔はしないと誓うから、私が相手を見極めたいくらいには心配だわ」 「私も」 とこっそりと話をする。 「月乃の次に好きなくらいの人なら決めるわ」 「私も」 今度はこっそりと笑い合っていると、担当者さんともう一人がパソコンを持って戻って来た。 「お待たせ致しました。どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。先ほどご説明したように、お見合いの申し込みが出来ますが、もちろん申し込みが来ることもございます」 なるほど、そりゃそうだよね… 「7人。月乃は?」 「11人。これが20代の力?」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1023人が本棚に入れています
本棚に追加