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「じゃあ…私たち二人が同じ条件で登録したのだから、同じお相手が表示されるってことになるんだよね?」
そう言った私にあや実がウンウンと頷くと
「いえ、そうはなりません」
と担当者さんがキッパリと否定した。
「お相手からの条件もあるわけですから、身長が高い女性がいいとか、小柄な女性がいいとか…」
「あ、そっか。163センチ以上と言っている男性なら、あや実には表示されて私には出てこない」
「はい。お二人同時にご覧頂けるようにご用意致します」
担当者さんが奥へ下がったので
「ふふふっ…あや実…ここであの数字がモノを言うね」
「数で勝負じゃないでしょ?成婚退会が勝負」
「妥協して、好きでもないのに結婚はダメだよ?」
「そんなこと、私がすると思う?」
「思わない」
「月乃の邪魔はしないと誓うから、私が相手を見極めたいくらいには心配だわ」
「私も」
とこっそりと話をする。
「月乃の次に好きなくらいの人なら決めるわ」
「私も」
今度はこっそりと笑い合っていると、担当者さんともう一人がパソコンを持って戻って来た。
「お待たせ致しました。どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。先ほどご説明したように、お見合いの申し込みが出来ますが、もちろん申し込みが来ることもございます」
なるほど、そりゃそうだよね…
「7人。月乃は?」
「11人。これが20代の力?」
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