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「年齢は今のように数字など、登録した条件で弾き出す時には関係してきますが、今は登録されたばかりですし…今後お相手がデータファイルを目にされてのお見合い申し込みもございます。あまり人数はお気になさらず」
と一人のスタッフは戻っていく。そして担当者、吉田さんが補足のように言った。
「たとえば、ご兄弟が未婚か既婚かなど気にする人は気にしますし、データはデータと割り切りは必要だと考えていただければよろしいかと思います。ご入会ご登録いただいて、たくさんの人と会う可能性が広がるように思われますが、最終的にはご自身が受け入れられる、そしてご自身を受け止めてくれるお1人と成婚までたどり着けるかが重要ですから」
それはそうだね。
そう頷きながら、私はお相手のファイルを開いていく。
と…
「私は全ての方へお見合いの申し込みをします」
あや実が見もせず、そう言うので
「はぁ?」
思わず声の出た私と、分かりやすく目をパチパチさせる吉田さんが彼女を凝視する。
「あと、どなたかからお見合いの申し込みがあってもお断りします」
ああ…その意図はわかった。
「あや実…うん…あや実は見た目で引き寄せる男はお断り、ということです、吉田さん」
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