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N極~Side:木下~
並木との同棲生活にも慣れてきた頃、俺と並木はいつものようにソファーに並んでテレビを観ていた。
「温泉か。久しぶりに行きたいな。」
俺は何気なくその言葉を口にした。
「行く?ここなら車で1時間くらいだし、折角の連休だしな。」
「もしかして、今から?」
「そう。何か予定あれば今度にするけど。」
「特にないよ。」
俺は答えた。
「よし、部屋空いてるかな?」
並木は早速、旅館の空室状況を調べ始めた。
俺はその様子を、並木にもたれ掛かりながら覗き見た。
「空いてる!あと2部屋だってさ。」
「おお、ラッキー。」
「予約っと。チェックインは15:00にしよっか。」
「そうだな。俺、旅行の用意してくる。」
「俺も。」
俺たちはそれぞれ、ボストンバッグに荷物を詰め込んだ。
よく考えたら、並木との初めての旅行だ。
俺の頬は思わず緩んだ。
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