第3話

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 滑稽だ。惨めだ。なんたる醜態(しゅうたい)か。魔女を着飾るにこれ以上は確かに無い。  家の者は全て味方では無かった。唾を吐いた者に容赦はいらぬ。それが本意で無かったとしてもだ。  黒い魔術は呪いの輝き。黒曜石よりなお深い。目覚めた私はパペットにもなれなかったのか。  ルーイン、貴女は白い。何処までも、誰にでも交わる白さだ。己の心すら白で塗りつぶせば、海千山千の殿方とて敵では無いだろう。  ありがとう、私は地に擦り付けずとも頭を磨く事が出来た。本当に感謝する。  この身にある黒は魔術だけでは無いと知る事が出来た。 「サラタ殿、水場仕事は女の役目など前時代的だ。俺にこなせない不器用さは無い」  洗濯物を洗っているとウイル様は、盥ごと拐って続きを行う。 「いえ、我が君。このような事は下女の身に相応しき事。相応しきは相応の仕事をこなしているのみですので、どうぞお気になさらず」  私の言葉に、ウイル様は眉根を寄せて口をへの字に曲げる。  何か変な事を言っただろうか? 首を傾げれば、彼は苦笑して私の頬に手を当てられた。
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