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「今日ここで、全てを改めよと仰せだと。流石に殿下は世をお知りで感服致します」
目に見える光景には目を奪われる。
なにせそうだ、人の手の通わぬ大地と緑と。その様はなんと雄大だ。
生い茂る事限り無く、その森に矮小な人間など挟み込む術は無い。あふれ出る涙は大地に帰らず。
唯一の人工は掘っ立て小屋のようなボロ屋敷。
屋敷? ……屋敷だろう、貴族が住めば。
我が家名に傷者あり。
しかし、王族の勅命故に切り捨てる事叶わず。
それが、今の私でしょう。明日の私とも呼べる。喜ばしい事に明後日以降も同じだ。
私を吐き捨てた馬車の遠ざかる音が心地よく響く。
悪しき魔を討った騎士の如く凱旋の気分を、恐らく手綱を握りしめて味わっている事だろう。
その姿を見るのは森の木々達だが、果たして……。
夢から醒めましょう。
誰かが言った気がした。
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