3人が本棚に入れています
本棚に追加
「寝るな!!! 寝たら死ぬぞ!!!」
オレは、親友の友田の胸ぐらを掴んで、揺すりながら叫んだ。
「……もう、死んでもいいんだ……僕は眠いんだ……」
友田が、呟くように弱々しく言った。
オレは、その友田を、再び揺すった。
「雪山で、寝ると死ぬと相場は決まってるんだ! だから、寝るんじゃない!」
「……いいんだ……もう死んだって……凍死って一番楽な死に方なんだろう……?」
友田が言った。
「でも、でも、死ぬな! 友田あああ~~!!! 好きなんだああ~~!!!」
と、叫んだところで、目が覚めた。
友田が、隣の席から、教科書で、オレの頭を叩いていた。
「お前! 授業中に爆睡して、恥ずかしい寝言、言ってんじゃねえよ!」
オレは、数学の授業中に、居眠りをしていたのだった。
ああ、でも、親友で愛する友田が無事で良かった、とオレは心底ホッとしたのだった。
おわり
最初のコメントを投稿しよう!