夏氷

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 そそくさとトレイを抱えて戻って行った。少し溶けたアイスを食べる。やっぱりクリームソーダはアイスに限ると思った。  それから、宣言通りに秀太からメッセージが来て、何度かやりとりを重ねた。講堂やカップルのデート風景を撮って来い等と無茶振りされることもあったが、それは友人にお願いをし、出来る限りのことは協力をした。私にとっても刺激になったし、秀太から来るミッションが面白かったからだ。  相変わらず、小説はランキング外だったけど、白田コンが辛口レビューを書いてくれたおかげで、読者が定着してくれたことは、私にとって大きな一歩だった。腐らずに書けよと生意気を言った秀太は受験勉強の為に執筆活動を休止するらしい。そのくせ、何かとメッセージを送りつけて来る。  今日は、久しぶりに志信と秀太がアルバイトに入ると聞き、遊びに来たところだ。また、手痛い批評を喰らうかもしれない。でも、白田コンの生身を知ったせいか、今はそれが楽しみでもある。
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