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「ーーだから、同じ作者さんが書いた小説に思えないほど、雰囲気も文体も違うんですね」
「やっぱり、読む人によっては分かっちゃうよね。僕らにとっては実験的な試みだから、白田コンではコンテストに出したことはないんだ」
その割に、すでに一年間で二十作近い短編作品が投稿されている。
「それでも、すごいですよね。毎回、斬新なアイディアに驚かされています」
私の身の回りに相談する相手がいたら、また違う作品が書けるのだろうか。
「喧嘩もするけどね。もしかして、君も作者さん?」
観察するように私を見た。
「はい、水上果奈という名前で書いてます」
「ああ! ファンレターの子だ!」
「えっ」
志信は一人納得している。
「あの、ファンレターって、別の人とお間違えでは」
「いやいや、ごめん。水上さん、いつも丁寧な感想を書いてくれて本当に嬉しくて、勝手にファンレターだって二人で盛り上がってたんだ」
「でも、沢山の人が感想書いてますよね」
「もちろん、頂いた感想は全部嬉しいよ。誤解しないでね」
「はあ」
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