夏氷

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「水上さんは僕らと感性が似ているんじゃないかって思うんだ。それに一言一句逃さず読んでくれて、行間まで読み取って貰えている感じがするんだ」 「そんな……。思ったことを書いているだけです」  感想を投稿する前に下書きしているのは秘密だ。 「なら、本当に感性が近いんだと思う」  それも、白田コンの小説を沢山読んでいるからだと感じている。 「でもごめんね。僕達、それぞれ別名義での活動もしてるから、他の作者さんの小説は全然読めていないんだ」  当然、私の小説は読んでいないということだ。 「いえ、それは気にしなくて大丈夫です」  本当はひとつくらいは読んで貰えているかもなんて考えてしまっていた。 「いやいや、きっと読むよ」 「……ありがとうございます」  社交辞令を鵜呑みにするほど私は能天気ではない。読者ランキングでも上位に食い込んだことがなく、白田コンだけではなくきっと、他の読者の目にも止まっていない。 「水上さんはこの辺りの人? 明日からは秀太が店に出るから、また来ると良いよ」 「そうなんですか? それじゃ、志信さんは……」
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