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念願の続きを読むことが出来た今、わたしの顔はにやけているに違いない。
図書係の仕事をすっかり忘れて、「魔女先生」を読みふける。
物語の始まりは前巻の続きから。魔女先生がお付きの騎士と一緒に魔王城へ潜入したところから始まる。
魔王は魔女先生にとって倒すべき敵だ。ところが、あと一歩というところでお付きの騎士が呪いにかけられてしまう。
これからどうなっちゃうの……!?
ハラハラドキドキしながらページをめくっていく。
どうせ放課後は誰も来ないし、このまま最後まで読み切っちゃおーっと。
その時、シンと静まり返っていた図書室の空気をぶち壊すようにガラリとドアが開いた。
「ミッコットちゃーん!」
ああ……さようなら。わたしの素敵な読書タイム。
「つかまえた!」
おさななじみの葛葉モモはふわふわの栗色のストレートヘアをなびかせながら小さく飛び跳ねた。
カウンター越しに熱烈なハグをかまし、わたしの首をしめあげる。
う、重い。首が締まる〜!
全体重をかけた全力のハグに首が悲鳴をあげる。
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