1.わたしの普通じゃない学校生活

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「また本読んでる!モモにもかまってよ~!」 「ようやく最新刊が図書室に入庫されたから、早く読みたくって……」 「ミコトちゃんはいつもそう言うんだから!」    モモはぶうっとくちびるをすぼめてすね始めた。  人形のように目鼻立ちのくっきりしたプリティフェイスのモモが、ツーンと澄ましたところで可愛さが際立つだけ。  ここだけの話、モモは子役やキッズモデルにスカウトされたこともあるんだ。 「ミコトちゃんは本当に図書室が好きだよねえ~。モモなんて朝読書の本を借りる時ぐらいしか図書室なんて来ないのに〜!」 「この村で一番本があるのはここだしね」  わたし達の暮らす龍神(りゅうじん)村は、人口五千人にも満たない小さな村。  昔はもっとたくさんの人が住んでいたらしいけど、大きな工場が閉鎖した時に、みんな引っ越してしまったんだって。  村立の龍ヶ淵(りゅうがふち)小学校に通う生徒は全部で五十人ぐらい。  モモとわたしは数少ない同級生、小学五年生だ。 「それで、なにか用?」 「カケルくんが?なんか?グラウンドに水をぶちまけてるっぽくて?止めた方がいいんじゃないかなあって……」 「なんでもっと早く言わないの!」  まずい!まずすぎる!
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