浜辺瑠璃は、鎌倉にいた!

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「じゃあ、明日からは学校にくる?」 「うん、もちろん。心配してくれてありがとうな」 って輝希がおれを見てから浜辺を見て、お礼を言ってくれた。 けど、浜辺を見た輝希が固まってしまった。 どうした?とおれも浜辺をのぞくと、浜辺がめちゃくちゃ泣いていた。 メガネの下からポタポタ涙が流れている。 たしかに輝希の話は感動したよ。 でも、それって号泣ってやつだろう。 浜辺って感動屋さんなんだな。 また一個、おれだけの情報が収集できた。 なーんて能天気にしていたら、輝希がポケットからティッシュをとりだした。 「浜辺。これ使って。良希がよく鼻垂れるからいつも持参してるんだ」 「…ありがとう」 と浜辺はティッシュを受け取り、涙をふくためにメガネを外した。 再びおれは、浜辺瑠璃の子鹿のような可愛らしい素顔を見て、やっぱり心臓がドッキンドッキンと大きく打ってしまった。 ううっ、やっぱり可愛い… ぱっと赤くなった頬を見られないように、目線を輝希にずらした。 と、そしたら!! 同じく、目を見開き頬をそめた輝希がいるじゃないかっ! うわっ浜辺の真正面から素顔をみちゃってるしっ! 「これは、やばいっ!」 って思わず心の声が漏れてしまった。 メガネをかけ直した浜辺が 「なにが、やばいの?」 と聞いてくる。 「な、なんでもないっ」 って言うしかないだろう? 輝希はまだぽーっと浜辺をみているし。 メガネを外したら美少女、こんな漫画みたいなやつ、他にいないよ。 なんで自覚がないんだよ。 マジで浜辺は天然記念物だ。 やだな、絶対に輝希も浜辺のこと、気になってるよな…。 まだ、目をぱちくりさせて見ているよ…。 とりあえず今日は、退散しようっ。 「よしっ、そろそろ帰るか。輝希、明日は学校に来れるもんな?」 おれは輝希の肩に手を置いて、わざとらしく確認した。 輝希が我に返って、ようやくおれを見てくれた。 「う、うん。明日からは行くよ」 想定外の浜辺の素顔ひろうはあったけど、輝希のお休み問題は解決だな。
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