栄光のカダフォール

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 このときはじめて、月から夫婦の神が降りる。神々はまず、月に照らされているものに住処を与えた。男神は力ある7の精霊に、7つの海へ宿ることを許した。こうして海は命あるものとなり、動物が触れても虚無に侵されないものとなった。男神はさらに、7つの海の合間に乾いた土地をつくった。そこには土と岩しかなかったが、次に力ある精霊に譲られた。こうして神によって陸がつくられ、精霊が宿って生物がすめるようになった。  女神は、植物や動物で土地に彩を与え、弱き精霊の居場所を用意した。神によってつくられた数々の生物は、精霊が宿ることによって命を、そして意思を持った。世界には花が咲き乱れ、動物が遊ぶ平和な楽園となった。  それでも神々は満足なさらなかった。未だ天には数多の精霊が漂い、器を必要としていたからだ。しかしこれ以上、陸地に生命は生きられない。だから女神は、残りの精霊を地下や川、海に住むものとした。それでも空には、今の数倍の光が灯っている。女神はそれらもまた陸へ行けるよう、生物の寿命を限りあるものとした。生物に宿れなかった物と交代し、皆が満ち足りるようにである。
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