栄光のカダフォール

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 二度目の夜がさらに更けると、星々はさらに自らの言葉のすばらしさを語る。深い闇の中でも人は眠れず、とうとう星の言葉に屈した。動物を狩り、その肉を求めて互いに争った。それでも神が目覚め、カダフォールからおだやかな光が差すと、星は天に帰った。そしてまた生命は、再生していく。  神々は悲しんだが、人の罪を問うことはなかった。昨夜動物がしたことと、さほど変わりはしない。そしてすべてを罰しても、よくなることではないと神は知っていた。月を閉ざした、自らにも非があるということも。  神々は生物を罰する代わりに、自らに負担を強いた。休むことなく、月を天に巡らせることにしたのだ。地平線に沈むことなく、往復する太陽から神は地上を見守った。確かにその日々は、平和ではあった。しかし、二日、三日と過ぎるうちに、陸の生物はどんどんと増えていった。カダフォールから注ぐ命に満ちた光のために、女神の定めた寿命よりも長く生きられたのだ。陸地は狭くなり、生物たちは土地を弱らせた。植物は陰から腐り始め、あたりには腐臭があふれた。
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