栄光のカダフォール

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 そして数十日が過ぎたころ、男神は病に伏した。カダフォールの門は閉ざされ、再び世界は漆黒が広がった。星はあいかわらず地上に降り、甘言で生物を惑わそうとした。しかし今や、その誘いに乗るものはいなかった。長い昼のために休まらず、やっと訪れたおだやかな暗さに安堵したからだろう。争うには、すでに疲れすぎていたのだ。  このように3度目の夜は、平安のうちに過ぎていくかと思えた。しかしこの時代、夜の長さは決まっていなかった。なかなか明けない夜に、動物たちは嫌になっていった。そして命が、衰えていくのも感じられた。そしてそのうち、動物たちは星の言葉に誘われていった。  次にカダフォールから光が差したとき、神が目にした光景はやはり再生する生命の姿だった。神々は心を痛め、カダフォールの戸を2つに割った。こうして月は、今と同じ明るさになり、新しく太陽ができた。
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