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昼に太陽が出るようになってから、何百年もの歳月が流れた。世界は平和で、植物は茂り動物は栄えていた。とはいえ、2つのカダフォールの門は、力が強すぎたのかもしれない。神のつくった島々は生物にあふれ、暮らしに困るものが出てきてしまったのだ。
その代表ともいえたのが、我々、人間だ。建物はすぐ植物によって倒され、肉食の獣から身を隠すこともできない。食べられる果実はたわわに実っているはずが、猿に先取りされてまずいものしか残っていないこともしばしばあった。
カダフォールから神は様子を見ていたが、地上へ降りることは考えなかった。少し苦労があろうとも、命にかかわることでもない。世界が壊れそうでもない。いちいち小さなことで、神は降りるわけにはいかないのだ。
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