第1話 双子の妹

1/1

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ

第1話 双子の妹

「絶対に許さない!妹を虐めた加害者達とそれを見て見ぬふりした教師達を私は絶対に許さない!何がなんでも、そいつらに一生の報いを受けさせる!!」 私の名前は伊織咲良、高校2年生だ。 私の家は、お父さん、お母さん、双子の妹の咲希の4人家族だ。 お母さんは優しくて美人で器用な人、お父さんは面白くて家族との時間を大切にしてくれる最高の人、咲希は世界一可愛くて、優しくて私の癒しだ。 ただただ普通の家庭だが、1つ問題がある。 問題というのは、私と咲希が似すぎる点だ。 双子っていうのもあってか、性格は違うけど見た目がそっくりなのだ。 お母さんやお父さんでさえも、私たちの区別はあまり付けられない。 ほぼほぼ喋り方で見分けをつけている。 そんなに似すぎるなら、学校でも間違われるのではないかと言われるけど、私はオンライン授業なのでずーっと家にいる。 だから、咲希に姉がいるなど、学校の教師や生徒、誰も知らない。 なぜ、私がオンライン授業をしているのかと言うと、中学の頃に私はいじめにあった。 そこまで、私も気にしていなかったのだけど、いじめが酷すぎて、めんどくさくなって学校を行かなくなった。 両親は優しい人だったため、学校に行かない私を家でも授業が聞けれるように、iPadを買ってくれた。 本当に、2人には感謝しか無かった。 (保健室登校もいいなとは思ったけど、オンライン授業の方が落ち着くからな〜) でも、もし咲希が何かあった場合は、すぐ駆けつけるようにしている。 たった1人の妹だってこともあるけど、1番は咲希が可愛いからだ。 世の中で言う、私は重度のシスコンである。 「あ、咲希!おはよう!」 咲希が目を擦りながら、階段を降りてくる。 「おはよう、お姉ちゃん」 眠たそうに言う咲希はまるで天使のように見えた。 「あぁ〜、今日も咲希は可愛いね、もう大好き」 「私もお姉ちゃん大好きだよ」 朝起きて、私からハグしに行くのが私の中では日課になっている。 「こら、2人ともご飯よ!いつまでイチャついてんの。咲希も遅刻するよ」 お母さんが笑いながらそう言うと、お父さんも 「本当に2人は仲が良いな」 と言ってくる。 (こんな時間がずっと続けばいいのに……) 私の家族は本当にいい人達ばかりだ。 「あ、咲希もう出る時間じゃない?」 「もう、そんな時間か……」 (ん?一瞬、咲希暗い顔してたような……?) そんな気がして、声をかけようとしたら、 「じゃあ、お姉ちゃん行ってきます」 なんて言うから、 「うん、行ってらっしゃい。気をつけてね」 って手を振った。 さっきの「行ってきます」も、声が暗かった気がした。 (まぁ、寝起きだから低いのかもしれないか) なんて思ってそこはあまり、問題にはしなかった。 「さて、私もオンライン繋げるか」 私は、iPadを開いてクラスルームに入って授業を受けた。 いつもオンライン授業をしている時、 (咲希は何してるかな?ちゃんと、楽しい学校生活送れているのかな) なんて考えたりもした。 「さすがに高校入って2年もたったんだから、大丈夫でしょ」 気軽にそんなことを私は思っていた。 「ふぅー、やっと授業全部終わったー」 (咲希、早く帰ってこないかな) 私は咲希の帰りを気長に待っていた。 ガチャ (あ、帰ってきた!) と思い、玄関の方まで迎えに行った。 「咲希お帰り!」 「あ、うん、ただいま」 そう言って、咲希は自分の部屋に戻った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加