第3話 (2)『妹が虐められている!?』

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第3話 (2)『妹が虐められている!?』

私の目に映ったのは、ピンクのポーチが見る影もなくボロボロになっていた。 しかも、ぜったいに汚れないところまで、汚れてて、ファスナーの所は壊れかけていた。 「一体どうして……?」 頭の中はもう混乱で、爆発しそうだった。 (咲希は、自分の大切なものは丁寧に扱うし、ちょっとしか汚したこと無いのに、ましてや、壊したこともなかった) 何があったのかは、分からないけど、これはさすがにビックリした。 「まあ、咲希だって高2だし、こういうこともあるよね」 なんて思って、ポーチの中を見たら、 「……うそ!?これ、私があげた…」 そこには、はさみで切り裂かれたようなハンカチがあった。 しかも、それは私が咲希の誕生日にあげたものだった。 「咲希はこんなことする子じゃない!」 私が1番、咲希の事を知ってる。 私は、壊れたポーチ、切り裂かれたハンカチ、 (もしかして、誰かにやられた……?) なんて考えたりもした。 「咲希の友達に限ってこんなことしないよね……」 そう考えるうちに、私は不安になっていった。 「もし、咲希の友達だったとしても、こんなことする人は許せない!」 なんて、勝手に解釈して1人で怒っていた。 ガチャ 「ただいま」 すると、咲希が学校から帰ってきた。 私は、素早く咲希の部屋から出た。 (あ、しまった!ポーチ戻すの忘れてた) 咲希が階段を登ってくる音が聞こえてきたから、私は急いで自分の部屋に戻った。 そして、偶然を装って、咲希が私の部屋の前に来たところで、私は扉を開けた。 「わぁ!ビックリした!咲希帰ってたんだ……え?」 扉を開けて、わざとらしく声をあげた瞬間、私の目には、 「咲希!どうしたの、この傷!何があったの!」 私の目に映ったのは、咲希の身体のあちこちに殴られたような跡、傷が至る所にできていた。 「あはは、えっと帰ってる時に転んじゃって……アハハ」 なんて笑って誤魔化してるから、余計に痛々しく思えた。 「おいで、手当してあげる」 「うん。ありがとう、お姉ちゃん」 私は咲希を私の部屋に入れ、手当をした。 「よし、出来た!他に痛むところはない?」 「うん、大丈夫」 なんて言ってたけど、私は (他に傷はないかな…?) って思った。 心配性だった私は、他に傷がないのか探した。 私は、咲希の背後に周り、 「どうしたの?お姉ちゃん」 「咲希、ちょっとごめんね」 「え……?」 ペラっ 私は、咲希の服をめくった。 (何これ……?) 咲希の服をめくると、背中にたくさんのアザがあった。 しかも、結構前のものでは無く、最近付けられたものだと私は見て思った。 「何するの、お姉ちゃん!」 咲希は、無理やり私から離れ、怒鳴った。 (初めて見た、咲希が怒鳴るところ……) 「咲希、もしかしていじめを受けてるの?」 私は、渋々聞いた。 「お姉ちゃんには関係ないでしょ!もう、ほっといてよ!」 咲希に怒鳴られたのは、これが初めてだった。 「あ、待って!」 部屋から出ようとする咲希を私は止めようとした。 「手当してくれて、ありがとう。でもこの事は、お父さんやお母さんには言わないで」 そう言って、咲希は部屋から出ていった。 これで、確信した。 咲希は、おそらく学校で虐められているのだと……。 (よくも妹の身体をあんなに傷物にして……。) ぶっちゃけ、私の怒りは凄まじかった。
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