第8話 もう守られてばかりじゃない(3)

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「はい、智也のぶん」 「ああサンキュ」  智也は肉まんを受け取るなり、早速手をつけ始めた。  それにならって陽翔も齧りつき、しばらく無言のまま咀噛を続ける。互いにあと数口というところで本題に入った。 「佐藤くんから聞いたよ。智也、また俺のことで喧嘩しちゃったんだね」  智也が一瞬固まる。残りの肉まんを一気に頬張ってから、ぽつりと言葉を紡いだ。 「……本当は殴りたかったけど、シャレにならなそうだからやめた。つか、わざわざそんなこと言いにきたのかよ」 「俺のせいで智也が怪我したんだから、じっとしていられるはずないでしょ。特に今回のは本当のことなんだし、しなくてもいい喧嘩だったじゃん」  咀嚼を終えて向き直ると、陽翔は智也に真剣な眼差しを向けた。 「『本当のこと』つったって、腹が立ったんだから仕方ねーだろ。なにもお前に限ったことじゃねーし、俺らの関係がバカにされてる気がしてすげー嫌だったんだよ」 「智也……」
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