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「……それ反則」
恍惚とした表情で囁かれてしまい、陽翔は角度を変えて何度もその唇を貪った。
静かな室内に二人の吐息だけが響き渡る。夢中になっているうちに、いつしか互いの体を抱き寄せていた。
「智也、エッチな顔になってる」
「っせェな、お前だって」
からかうように言えば、智也は上目遣いで睨んでくる。しかし、頬を赤らめて潤んだ瞳で見上げられても、煽られているとしか思えなかった。
再び深くキスを交わしつつ、智也を押し倒す形でベッドに寝かせる。
そのままもつれ合っていたのだが、気づけば智也が上に覆い被さっていた。こちらの襟元を緩めたかと思うと、力を込めて首筋の薄い皮膚を吸いあげてくる。痺れるような鈍痛が走って、鬱血の痕を残されたのだと知った。
「学園の王子様がこんなんつけてたら、ぜってー噂になんだろうな」
まるで自分の所有物だと誇示しているかのようだ。智也は満足げな笑みを浮かべる。
「ええ? 智也だけズルいよ。ねえ、俺もキスマークつけさせて?」
「なんで許可制なんだよ。好きにすりゃいいだろ」
「じゃあ、このままお尻向けてくれる?」
「はあ!?」
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