第8話 もう守られてばかりじゃない(4)★

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「……それ反則」  恍惚とした表情で囁かれてしまい、陽翔は角度を変えて何度もその唇を貪った。  静かな室内に二人の吐息だけが響き渡る。夢中になっているうちに、いつしか互いの体を抱き寄せていた。 「智也、エッチな顔になってる」 「っせェな、お前だって」  からかうように言えば、智也は上目遣いで睨んでくる。しかし、頬を赤らめて潤んだ瞳で見上げられても、煽られているとしか思えなかった。  再び深くキスを交わしつつ、智也を押し倒す形でベッドに寝かせる。  そのままもつれ合っていたのだが、気づけば智也が上に覆い被さっていた。こちらの襟元を緩めたかと思うと、力を込めて首筋の薄い皮膚を吸いあげてくる。痺れるような鈍痛が走って、鬱血の痕を残されたのだと知った。 「学園の王子様がこんなんつけてたら、ぜってー噂になんだろうな」  まるで自分の所有物だと誇示しているかのようだ。智也は満足げな笑みを浮かべる。 「ええ? 智也だけズルいよ。ねえ、俺もキスマークつけさせて?」 「なんで許可制なんだよ。好きにすりゃいいだろ」 「じゃあ、このままお尻向けてくれる?」 「はあ!?」
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