エピローグ これからも、隣にいる君

3/3
457人が本棚に入れています
本棚に追加
/168ページ
「見せつけんのかよ……」  呆れ気味に呟けば、陽翔はにっこりと笑みを浮かべた。こちらの手を取って指を絡めると、 「当然でしょ。俺は智也のことが大好きなんだから」  臆面もなく言うものだから参ってしまう。しかし、それが嬉しくて堪らなくなる自分もいて――智也はふっと口元を緩めると、絡まる指先に力を込めた。 「ハルは俺のものなんだ、って知らしめるのも悪くねーな」  そう言って、手を繋ぎながら歩きだす。  一年後、五年後、十年後……何十年経っても、こうして一緒に歩んでいけたらいい。  これからどう生きていくのかなんて、今の自分には到底想像もつかない。けれど、きっと二人なら何だって乗り越えられるはずだ。  陽翔がいるというだけで、この一歩一歩がキラキラと輝いているように思えるのだから――。 (っとに、眩しいヤツ……)  智也は隣を歩く恋人の横顔を見つめ、そっと目を細めたのだった。 fin.
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!