オリジナル インテンション

1/9
122人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

オリジナル インテンション

ーー痛む心はさながら花火のように、儚く散りゆくもので、なのに鮮明に心に焼きつく。 時間が解決してくれるだとか信じていない訳じゃないけれど、その時間が有限だから、そんな癒しに時間を浪費するのが勿体なく思う。 だけど、僕の意図なく残り続ける痛みは、いっそ強烈に痛めつけてくれればいいものの、まるでそれを楽しむかのようにじんわりと傷口に触れていく。 壊れてしまって何も感じなくなればいい。自分を守るために誰かを嫌ってしまうくらいなら。 壊れてしまって何も感じなくなればいい。あんなに好きだったはずの彼女が嫌いになるくらいなら。 多分きっと、この僕の痛みを理解してくれる人はいないだろう。 きっと、そんな事でって惨めに思う人ばかりだろう。 でもそんなの知るもんか。この痛みは僕のもの。誰かに見せるつもりなんて端からないんだから。 そうして傷心に肩まで浸かった僕はまた思い出す。今となっては最悪の思い出を。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!