俺とメイドさん

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 体型の維持は人間と比べて容易らしく、百五十センチ程の低めな身長に、大きな胸。全体的に肉付きの良い体をしていて、所謂トランジスタグラマーと言うやつだ。 白銀のツーサイドアップに、真っ赤で宝石の様に綺麗な瞳。クラシカルなメイド服に身を包んだ、完全に俺好みのメイドさんである。 「ところで主殿、そろそろ村を出る時間では無いのかや?」  名をメルネスティアと言い、本名はメルネスティア・フォーレン・カーフメルド。今は記憶を取り戻しており、非常に優れた魔法の技術と、高名な人間の魔術師が束になっても敵わない程の魔力量を有している。つまり、怒らせると怖い人だ。  そんな彼女の言葉に、俺はそうだなと答える。俺が席から立ち上がるのを見守ると、歩き出そうとした俺に一枚の紙を手渡した。 「それは村人達が今回の買い出しで要求している物のリストじゃ。当然妾達の必要なものも書いてあるからの、忘れずに全て買って持ち帰るのじゃぞ?」 「おいおい、初めてのおつかいじゃ無いんだぜ、メルさんや」  このメイドは、俺にメルと呼ばせている。けれど、特定の人物以外には自身をそう呼ばせない。ちらりとリストの下の方に目を遣ると、そこには今彼女が着けている下着よりワンサイズ上のものが書かれていた。 「……今尚可能性を感じさせるメルの双丘。やはり化け物か」 「主殿?」 「い、いや? 何でも無いぜ」
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