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切り出したあたしの言葉に、レオは手の動きで制した。何のつもりなのかと疑問に思いつつ、あたしは彼の動きとこちらを射抜く視線に、少しだけあちらへの興味を抱く。
僅かな時間を置いて、レオはゆっくりと口を開いた。
「……お前は、何故武術大会へ出場したのだ? 私の要件を話す前に、それを聞いておきたい。ただ興味を持っただけなのか、若しくは何か信念を抱いていたのか」
あたしが異種武術大会へ参加した目的を、彼は知りたかったらしい。少なくとも、あたしはただあの大会へ興味を抱いたから参加した、と言う単純な理由で参加した訳では無い。
あたしとレオのやり取りを静観しているロト姉へ、あたしは目線を配る。彼女とその弟子――アリエッタとクラインは、あたしが何故武術大会へ参加する決意をしたのかは、既に知っている状態だ。
「隠す必要は無いでしょう。彼の闘志を揺さぶることが出来れば、ともすれば助力を得られるかも知れません」
「私の闘志を……?」
ロト姉に促され、あたしは武術大会へ参加した目的をレオに話すことにする。
「あたし達はね、ある男達を捜しているの。二十年以上前に魔族側へ寝返った、元勇者とその仲間の二人を」
元勇者、ユウト・アカツキ。元イリアーナ教団信徒、セリカ・フラウティーン。元冒険者の魔術師、アルナミア・オル・エリュシス。この三人はあたしとリースが産まれる以前から魔王スルトの部下となり、特にユウトはリースのお父さんに対し、並々ならぬ復讐心を抱いているらしい。
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