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アックスドラゴン
ライト「……お、おおお、ぉ、おおぉぉ……おお……つ、強そーーだな……あと、でけーなあぁぁ……オレの三倍はあんじゃねーか?? ……ウロコ硬そーだし、全体としてガッチリしてっし……」
アックスドラゴン「……ほほう、おぬしが、わがはいの、ちからを、ひつようとしている、にんげんなのか」
ライト「あ、は、話せんのか……す、すげぇ……本物だぁ……城の書庫にある図鑑で見たことはあっけど……実物は……は……はじめて、見たぜ……」
「……。ガ、ガイーシャ君は、その、いかがでしょうか? ぁにょ……ラ、ライトさん……」
相手にうっとりした眼差しを向ける女が言った。
ライト「い、いいね……これほど、すげーのが、いきなりくるとは想像してなかったんで……お、驚いちまったけど……いい、いーぜ……十分だぜ……」
アックスドラゴン「そうか、にんげんよ。……ちじょうで、たたかうのは、ひさかたぶり、だ」
ライト「う、うん、うん、うん……わかった、わかった……で……か、彼は……おいくら? レンタル料とるんだろ……ここ……」
女「はい。5500アルスです……」
ライト「な、なにぃ!? 5500?? ……そ、そんなに持ってねーよ、そんなに持ってんなら、オレは、強い武器や防具かうのに使ってるって!!」
「……しょ、しょーですか。んーーなら、ガイーシャ君……戻ろっか…」
女はしょんぼりしている。
アックスドラゴン「……やむをえんな。わがはいの、ちからを、みせてやりたかった、ところであるが」
ライト「す、すまねーな、ガイーシャ……。なぁ、店員さんよ……オレは冒険の初心者なんだってこと、わかってくれや。5500も持ってるワケねーじゃねーか。……な、オレの言いたいこと、わかんだろ? ……別のオススメモンスター、頼むわ」
「……は……はい。では……そ、その……ダンタリオンなんて、いかがでしょう?」
女は自らの心身の反応をどうするといいのか、困っていた。
ライト「……ダンタリオン……?? こ、これまた、名前からして強そうな……」
アックスドラゴン「う……うーーむ……やつは、せいかくに、もんだいがあるぞ」
ライト「?? ……なに? せいかく??」
「ダ、ダンタリオンは強いです! あ、悪魔の公爵と、い、いわれております! 強大な魔力を誇り、ゴエティア洞窟に出るぅモンスターならば、どのようなモンスターであれ、ダンタリオンの魔法で、ぃ……一掃できるでしょう!」
女は顔を赤くして言い放った。
ライト「い、いいね〜〜!! それでいこう!!」
「……はい。これから、ダンタリオンを連れて……まいります。……少々、お待ち、ください……」
女はライトの瞳をちらりと見て言った。
……女はもう、自分でも自分がわからなかった。
ライト「よーし、待ってるわー」
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