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「さあさあ、どんな馬鹿も治す薬だよ!」
怪しい雰囲気の行商人が声を張り上げていると、一人の子供が近づいてきた。
「僕、学校でも落ちこぼれって言われているんだけど。本当に馬鹿が治るの?」
「もちろんさ。この薬を毎日常用していけば、大人になったころには天才になっているよ」
行商人の言葉に、子供は目を輝かせた。
「じゃあ、薬を買うならこの書類にサインをしてくれるかい」
書面には薬の効果には個人差があること、返品返金クレームは一切受け付けないことなどが事細かに記載されていたのだが。子供は何の警戒もせずに自分の名前を書いてお金を払った。
「まいどありー……くくく、馬鹿相手の商売は本当楽だ」
行商人はほくそ笑みながら契約書を確認する。
そこには『トーマス・アルバ・エジソン』と署名されていた。
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