AEDの恋

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 それが、私の中を駆け抜けた一瞬を、「私」は今でも覚えている。  恋が始まる時を、一目惚れの瞬間を、落雷に例えて、雷が落ちるなんていうけれど、本当に体に電気が走った。    いや、比喩ではない。  本当に2000ボルトの電圧が、体を駆け巡ったのだ。  どのくらい意識がなかったのか、わからない。   いきなり、それはきて、体が跳ね上がり、視界が白く戻った。    AEDの電気ショックに、意識が浮上し、反動のように目を見開いた。    その一瞬、あなたの顔を捉えた瞬間、  「私」は、私の心臓に電撃を与えた、あなたに一目惚れの恋をしたのだ。  
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