悲嘆の王妃と神託の騎士

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 花が散っている。寝床に残った血痕が示す事実だった。  褥で娘の啜り泣く声が聞こえる。酒に酔い欲に溺れ、取り返しの付かぬことをしてしまったのだと悟るのにそう時間は掛からなかった。 「……すまない。酒に酔ってとんでもない過ちを——。昨夜のことは忘れてくれ」  そうして騎士は扉を閉めた。扉の向こうではまだ、娘の啜り泣く声が響いている。
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