付ける薬と飲む薬

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ジャンに肩を抱かれて薬屋まで裏通りを歩く。 「クスリには、苦痛を除去するメディスンと、快楽を提供するドラッグと、もう一種類あるんだ。なんだかわかる?」 「何?」 「ドープ。能力を増幅させるおくすりだよ」 そのときドラッグストアに到着した。 普通の店っぽい。違法の店かと思わせたのはジャンのフレンチジョークだったのか? 「いらっしゃーい」 二人が入店するとレジの店員がジャンを見て手を振る。 「僕は、ここの、常連です」 わざとらしい片言でジャンが香帆に言う。 「ヤク中なんでね」 そういう冗談に反応するほどウブではない香帆だ。 「冗談だよお。あ、カホ、ほらこの薬だよこないだ君にあげたのは。ここで買ったんだ。ちゃんとした薬だから怪しまないで普通に飲んでね」 「うん、でも私いまどこも悪いところないから、おくすり必要ないよ」 「悪いところを治すんじゃなくてね、いいところを伸ばすおくすりがここにはあるんだよ」 肩を抱かれたまま店内を歩いていつの間にかバックヤードのようなところへ連れ込まれていた。 「さっきまでのところは誰でも入れるメディスンコーナーね。ここは特別会員しか入れないドープコーナーだよ」
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