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ユカは眠そうな顔で出てきたけれど、サトミが「小学校に行こう!」ってひと言言うと、目をキラキラさせて「行く!」と二つ返事で答えた。サトミと同じように帽子をかぶって水筒を肩に掛けてでてきた。
「じゃあ、アヤノの家にも行こう!」
アヤノはサトミとユカといつも一緒にいる、いわば三人組の一人だ。
「おい、そんなに遠回りしてたら学校に着かないぞ」
「あら、アキラに付き合ってあげてるんだから、それぐらい良いでしょ」
僕はぷう、とほほを膨らませた。でも、サトミに口答えをすると後が怖い。具体的には、夏休みの宿題が終わらない事態になってしまう。
「……わかった、アヤノまでだぞ」
サトミとユカはお互いにハイタッチをして喜びをあらわにした。
僕の小学校までの道のりは遠い。
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