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第2の王道主人公
「ぎゃああ! Gがっ! Gがーっ!」
1人の生徒が東区寮の廊下を全速前進で駆け抜けていた。恐ろしいスピードでクマにでも遭遇したように絶望の表情を浮かべながら、生徒は走っていたのだ。
その悲鳴を聞いた他の生徒は真っ青になる。慌てて部屋に戻るものや一緒に逃げるものがいてその場は軽いパニック状態。
俺はそれを見た瞬間帰りたくなった。
「ああ、寮長! 寮長! 助けてください!」
こちらに気づいた生徒はまるで神様にあったように安堵の表情を浮かべて、その場に崩れ落ちた。
「ああ、ああ。寮長、寮長様。奴が出たんです。どうか、どうか助けてください」
泣きじゃくり、救いを求める1人の生徒。俺は口から出そうになるため息を必死に飲み込み、ゆっくり笑いかける。声のトーンを幼児にかけるように優しく、そしてその生徒に寄り添うようにしゃがむ。
「もう大丈夫だよ。ほら、僕がいる」
G事件とのちに呼ばれるこの事件。俺、藤田灯季は東区寮長の誇りにかけてこの事件解決したのだ。
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