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長い指が自分の中を探るように進む。指が進むうちに気持ちのいい場所に当たり、背中をぞくりとしたものが走り抜ける。何度も何度もそこを押されるうちに指が奥まで入り、頭の奥が蕩けていく。
「んっ! あ、あっ」
体に力が入ると、今度は反対の手で宥めるように雄を優しく擦られる。中に入る指が増やされ、水音がぐちゅぐちゅと響いた。快楽だけがまるで波のように、繰り返し繰り返し押し寄せてくる。
(……こわい。でも、気持ちいい)
はくはくと空気を求めて開けた口を、ぺろりと公子の舌が舐める。
「ああ……いい子だ、ユエ。これならもうすぐ入る」
「は……入るって……」
ゆっくりと指が抜かれ、大きく息を吐いた。再び足を開かれたと思うと、公子の賜物が後孔の入り口に当てられた。
「ユエ……」
「あ! ああああ!」
ぐぐっと入ってきた大きな熱塊に震え、俺は大きな体に抱きついた。自分の中を拓いて押し進むのが公子の賜物だと思うと、苦しさと愛おしさで涙がにじむ。
「ああ、熱いな。其方の中は」
「澄王様ッ……」
腰が何度も揺すられ、堪らず雄が弾けると同時に、自分の中に熱いものが満ちていく。公子がひときわ強く俺の体を抱きしめた。
――ユエ。私のユエ。
繰り返し呼ばれる名を聞きながら、俺も、うわ言のように好きだと囁いた。
ふっと目を覚ますと、公子の腕の中にいた。自分を見つめる公子に気がつくと、楽し気に口づけては指を絡めてくる。遠い都に来て、俺はようやく探し求めていた幼馴染を見つけた。姿形は違うけれど、瞳の中にはあの優しさがある。
「……ねえ、澄王様。俺、時々はバイって呼んじゃうかもしれない」
「どちらでも、お前の呼ぶ名に応えよう」
「うん。俺にはもう、何の力もないけど……」
一緒にいてもいい? と聞けば、公子はいてくれないと困る、と笑う。
稀子の力は失われても、俺の魂は麒麟の清浄な力で出来ている。俺といるだけで白虎の魂は癒やされるのだと言う。それなら、只人の身でも役立てるのだと嬉しくなった。
「ユエは麒麟の里の宝だ。里に帰りたい時は、我が背に乗せていく」
――白虎の姿になれば、たちまち千里を駆けていけるのだから。
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