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――それが、魔女なのでしょう?
「――ほら、ヨハン。お昼ご飯の時間だよ」
「……本当に、いつもすみません、ヘレナさん」
「……もう、それは言わないでって、いつも言ってるでしょ? それから、ヘレナでいいから」
それから、およそ三ヶ月経て。
穏やかな陽の光が優しく射し込む小昼の頃。
心底申し訳なさそうに謝意を述べるヨハンに、少し呆れてそう伝える私。……ほんと、なんにも変わってないなあ。私のことを覚えていた、あの頃と。
あの日――あの夜のこと。鮮血を流しバタリと倒れたアンナさんを目にしたヨハンは、ほどなくして卒倒――そして、記憶を失ってしまった。
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